メルカリの帳簿は、売れた取引を1件1行で書き、販売価格・販売手数料・送料を分けて残すのが基本です。 仕入れと、梱包材などの経費は、別の表に買った日で書いておきます。 副業でもこの形で残しておけば、確定申告で使う数字はそこから出せます。

結論:帳簿は「売上」「仕入れ」「経費」の3つの表で足りる

メルカリで物を売っている人の帳簿は、3つの表に分けると迷いません。

メルカリの帳簿は3つの表で足りる
  • 売上の表 ─ 売れた取引を1件1行。販売価格・販売手数料・送料を分けて書く
  • 仕入れの表 ─ 売るために買った物を、買った日で書く
  • 経費の表 ─ 梱包材など、売るためにかかったその他の費用を書く

いちばん間違えやすいのは、売上の金額です。メルカリでは手数料と送料が引かれたあとの金額が残高に入りますが、帳簿の売上はその金額ではありません。

重要
帳簿に書く売上は、購入者が払った販売価格です。手数料と送料は、引かれていても経費として別の列に書きます。

残高に入った金額だけを売上にしても、利益は同じに見えます。ただ売上の額が小さく残ってしまい、あとで「いくら売ったか」を正しく出せなくなります。借方・貸方の仕訳で付けたい人は、メルカリ売上の仕訳と勘定科目で同じ考え方を仕訳の形で説明しています。

帳簿が要る人・要らない人

帳簿が要るかどうかは、何を売っているかと、メルカリでの活動がどの所得に当たるかで変わります。

自分はどれに当たるか
  • 家の不用品を売っただけ ─ 生活に通常必要な物を売った所得は非課税。売上を帳簿に付ける必要はない(1個30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは除く)
  • 副業で仕入れて売っている ─ 多くは「業務に係る雑所得」。記帳の義務はないが、申告する金額の根拠として記録を残す
  • メルカリを事業として続けている ─ 事業所得なら、白色申告でも記帳と帳簿の保存が必要

記帳の義務があるのは、事業所得・不動産所得・山林所得のある人です。業務に係る雑所得の人は、前々年の収入金額が300万円を超えると、請求書や領収書などの書類を保存する必要があります(国税庁 No.2080)。

副業こそ帳簿を残しておく理由

副業の物販が事業所得になるか雑所得になるかは、社会通念上「事業」と言える程度に行っているかで判定されます。そのうえで国税庁の通達には、取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は、原則として業務に係る雑所得になると書かれています(所得税基本通達35-2)。

青色申告ができるのは事業所得などのある人だけで、雑所得では使えません。いずれ物販を事業として大きくしたいなら、売上が小さいうちから帳簿を残しておくことが、その前提になります。

申告が要るかの目安

会社員などの給与所得者は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。ここでいう所得は、売上から仕入れや経費を引いたあとの金額です。

注意
所得税の確定申告が要らない20万円以下でも、住民税の申告は、所得の多い少ないにかかわらず必要です。医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下のメルカリの所得も含めて申告します。

申告が要るかどうかの判断は、メルカリ確定申告はいくらから必要?で詳しく整理しています。

帳簿に書く項目と、取引画面のどこを写すか

売れた商品は、アプリの「出品」から「取引中」→「売却済み」と進むと一覧で開けます。1件ずつ取引画面を開き、販売価格と、差し引かれた手数料・送料を確かめて写します。

帳簿の項目どこで確認するか
日付発送日か受取評価日
品名あとで探せる名前
販売価格取引画面
販売手数料取引画面(10%)
送料取引画面(メルカリ便)
残高に入った額おさいふの残高履歴

日付は、発送した日か受取評価された日のどちらかに決めて、すべての取引で同じにします。どちらにするかの考え方はメルカリ売上の仕訳と勘定科目で説明しています。

品名は「ニット」「スニーカー 黒 27cm」のように、あとで仕入れの記録と見比べられる程度に書いておくと、年末に在庫を数えるときに困りません。

クリックポストなど、メルカリ便以外で自分で送料を払った場合は、取引画面に送料が出ません。レシートを見て経費の表に書きます。

仕入れの表と経費の表は、列が少なくて済みます。

仕入れ・経費の表に書く項目
  • 日付 ─ 買った日
  • 品名・内容 ─ 何を何点買ったか
  • 金額 ─ 実際に払った額
  • メモ ─ 買った店、払い方(現金・カード・メルカリの残高)

1か月分の記入例

11月に、古着・ブーツ・古本を売った人の帳簿を例にします。送料は配送方法とサイズで変わるので、ここでは例の金額です。

売上の表(11月)
品名価格手数料送料
3日 ニット3,200320450
12日 ブーツ7,500750850
25日 古本3冊1,500150230
合計12,2001,2201,530
仕入れの表(11月)
日付品名金額
1日古着5点4,000
10日ブーツ1足3,000
20日古本10冊1,000
合計8,000
経費の表(11月)
日付内容金額
8日段ボール・緩衝材1,100

この3つの表から、11月の数字はこう出せます。

計算例

販売価格の合計
12,200円
販売手数料
1,220円
送料
1,530円
梱包材
1,100円
仕入れを引く前の合計
8,350円

ここで気をつけたいのは、11月に仕入れた8,000円です。仕入れた金額が、そのまま11月の経費になるわけではありません。古着は5点のうち1点、古本は10冊のうち3冊しか売れていないからです。

月ごとの利益の目安を見たいなら、売れた物の仕入れ値(ニット800円+ブーツ3,000円+古本300円=4,100円)を引いて、4,250円と見ます。確定申告で使う売上原価は、年末に売れ残りを数えて「年初の在庫+1年の仕入れ−年末の在庫」で出します。数え方はメルカリの仕入れ費用は経費になる?で説明しています。

メルカリの帳簿でよくある書き間違い

ここまでの形で付けていても、次の4つはよく起きます。どれも、年末にまとめて直そうとすると手間が大きいものです。

残高に入った金額を売上にしている

取引画面より残高履歴のほうが見やすいので、残高に入った金額をそのまま売上に書いてしまう人は多いです。売上の列には販売価格を書き、手数料と送料は別の列に分けます。残高履歴は、写した数字が合っているかを確かめるのに使います。

不用品の売上を混ぜている

同じアカウントで、仕入れた物と家の不用品の両方を売っていることもあります。生活に通常必要な物の売却は非課税なので、その売上は帳簿の売上から外します。品名の横に「不用品」と書いて、合計から外しておくと、あとで迷いません。

仕入れを、買った月の経費として全部引いている

まとめて仕入れた月は赤字に見え、売れた月は利益が大きく見えます。確定申告では、年末に売れ残った在庫の分は、その年の経費から外れます。仕入れの表は買った日で書き、在庫は年末に数えます。

メルカリの画面に出ない支出を書き漏らしている

自分で払った送料、梱包材、仕入れに行った交通費などは、メルカリの画面には出てきません。レシートを捨てると記録が消えるので、買ったその週のうちに経費の表に書くか、レシートを月ごとの封筒に入れておきます。

手書き・Excel・会計ソフトのどれで付けるか

帳簿の道具に決まりはありません。取引の数と、どの申告をするかで選びます。

道具の選び方
  • 手書きのノート ─ 取引が少ないうちはこれで足りる。合計は電卓で出す
  • Excel・スプレッドシート ─ 合計を自動で出せる。副業の雑所得ならこれで足りることが多い
  • 会計ソフト ─ 青色申告で、借方・貸方の複式簿記が必要な人向け

手書きとExcelで迷っている場合は、副業帳簿は手書きとエクセルどっちがいい?で比べています。

スプレッドシートで作る手順

ここでは、Googleスプレッドシートで3つの表を作る手順を書きます。Excelでも同じです。

3つの表を作る手順
  1. シートを3枚作り、名前を「売上」「仕入れ」「経費」にする
  2. 「売上」の1行目に、日付・品名・販売価格・販売手数料・送料・メモを並べる
  3. 「仕入れ」と「経費」の1行目に、日付・品名・金額・メモを並べる
  4. 表の右の空いたセルに合計の式を入れる。販売価格なら =SUM(C:C) のように列全体を足すと、行を増やしても式を直さずに済む
  5. 1年分を1枚のシートに上から続けて書く

最初から列が用意された表を使いたい場合は、フリマ売上管理テンプレの無料配布からコピーして始められます。

いつ付けるか、年末にやること

毎日付ける必要はありません。入力する作業は月1回にまとめても大丈夫で、日付だけは決めておいた日(発送日か受取評価日)で入れます。白色申告なら、日々の合計金額だけをまとめて書く簡易な方法も認められています(国税庁 No.2080)。

月1回の記帳の流れ
  1. 「出品」→「取引中」→「売却済み」で、その月に売れた取引を開く
  2. 販売価格・手数料・送料を、売上の表に写す
  3. 「おさいふ」の残高履歴で、入った金額と販売価格−手数料−送料が合っているか見る
  4. 仕入れと梱包材のレシートを見て、仕入れの表と経費の表に書く
  5. レシートは月ごとに封筒やフォルダにまとめておく

取引が多く、1件ずつ開くのが大変なら、販売履歴を一覧にする方法をメルカリの販売履歴をCSVにする方法にまとめています。

12月31日に確認すること
  • 12月に発送して、まだ取引が完了していない売上も入れたか
  • 売れ残った在庫を数えて、その仕入れ値の合計を出したか
  • 1年分の売上・仕入れ・経費の合計を出したか
  • レシートと取引画面の記録を、年ごとにまとめたか

事業所得で白色申告をしている人は、帳簿を7年、請求書や領収書などの書類を5年保存します(国税庁 No.2080)。

フリマネージャーで転記を減らす

売れた取引を1件ずつ取引画面から写す作業は、取引が増えるほど重くなります。そこは取り込みに任せることもできます。

フリマネージャーは、メルカリの売上を取引ごとに自動で取り込むので、販売価格・手数料・送料を手で写す必要がなくなります。ほかのフリマサイトの売上も、手入力すれば同じ画面にまとめられます。

経費の年間集計と、弥生・freee・マネーフォワード形式のCSV出力は、スタンダードプランと確定申告プランで使えます。

フリマネージャーには無料体験があります。

よくある質問よくいただくご質問を、分かりやすくまとめました。

不用品を売っただけでも帳簿は要りますか?
家具や衣服など、生活に通常必要な物を売った所得は非課税なので、売上を帳簿に付ける必要はありません。ただし1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨とうなどは除きます(国税庁 No.3105)。
副業(雑所得)でも帳簿は必要ですか?
法律上の記帳義務があるのは事業所得などのある人ですが、雑所得でも申告する金額の根拠として記録は必要です。前々年の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超えると、請求書や領収書などの保存も必要になります。
手書きの帳簿でもいいですか?
手書きのノートでも、Excelやスプレッドシートでも構いません。取引が増えて合計を出すのが大変になってきたら、表計算に移ると楽になります。
帳簿は何年保存しますか?
事業所得で白色申告をしている人は、帳簿を7年、請求書や領収書などの書類を5年保存します。
毎日つけないとだめですか?
入力する作業は月1回にまとめても構いません。白色申告では、日々の合計金額だけをまとめて書く簡易な方法も認められています。その場合も、1件ずつの内訳がわかる取引画面や販売履歴の記録は残しておきます。

まとめ

まとめ
  • 帳簿は「売上」「仕入れ」「経費」の3つの表で足りる
  • 売上は販売価格で書き、手数料と送料は別の列に分ける
  • 副業でも帳簿を残しておかないと、事業所得とは認められにくい
  • 仕入れた金額がそのまま月の経費になるわけではない。年末に在庫を数える
  • 入力は月1回でよい。日付は発送日か受取評価日に決めて続ける

1件1行の形さえ決めてしまえば、あとは月に一度、売れた分を写していくだけです。