バイト90万円・メルカリ18万円の学生は扶養内?合計所得で計算

親の扶養に入る学生は、メルカリで仕入れた品を売った所得を20万円以下でも給与所得に足し、合計所得が令和8年分は62万円以下かで親の扶養控除が決まります(国税庁 合計所得金額の計算)。夫の扶養に入るパート・主婦も、所得の足し方は同じです。夫の配偶者控除の線と、受けられる条件は「夫の扶養のパート・主婦が同じ計算をするとき」にまとめています。

合計所得は、給与所得や雑所得など種類ごとに出した所得の合計で、売上を足した額ではありません。国税庁が年末調整の資料で挙げる「合計所得金額に含まれない所得」にも、確定申告の要らない20万円以下の所得は入っていません。

売上18万円を、古着の所得と家の服の分に分ける

20歳の学生で、アルバイトの給与が年90万円の見込み、メルカリの売上18万円のうち仕入れた古着が12万円・家で着ていた服が6万円なら、合計所得に足すのは古着の所得だけです。古着の所得は、売上から仕入れ値などの経費を引いた額です。令和8年分は給与所得控除が74万円なので、給与90万円の給与所得は16万円になります。

計算例

アルバイトの給与(年の見込み)
90万円
給与所得
16万円
古着の売上
12万円
古着の仕入れ値・販売手数料・送料
5万5,000円
古着の所得
6万5,000円
家で着ていた服の分
0円
合計所得
22万5,000円

合計所得22万5,000円は62万円以下なので、この学生は親の扶養控除の対象のままです。

家の不用品だけを15万円前後売る学生なら、足さないのは20万円以下だからではなく、家で使っていた物を売った所得が合計所得に入らないからです。同じ15万円でも、仕入れた品の売上なら経費を引いた所得を足します。

アルバイト先の年末調整で出す書類にこの所得をどう書くかは、年末調整の書類のメルカリの分の書き方に記入例があります。

20万円は確定申告を出すかの線。扶養内かは62万円で見る

20万円以上売ると扶養から外れると聞いたなら、その20万円は確定申告書を出すかどうかの線で、扶養の線とは別です。給与を1か所からもらい年末調整を受けた人(給与収入2,000万円以下)は、給与以外の所得が年20万円以下なら、原則として確定申告が要りません。

アルバイトの給与が55万円で、仕入れて売った所得が48万円ある学生なら、所得が20万円を超えていても親の扶養控除の対象のままです。給与収入が74万円未満なので給与所得は0円になり、合計所得は48万円にとどまるからです。

給与55万円・所得48万円なら扶養控除の対象
給与所得給与55万円は74万円未満0円
+
仕入れた品の所得20万円を超えている48万円
=
合計所得62万円以下で扶養控除の対象48万円

※ 20万円は確定申告書を出すかの線で、扶養の線とは別

確定申告が要らない年でも、住民税の申告は別に要ります。住民税の申告がいくらから要るかはメルカリの住民税の記事に、20万円を超えたときの確定申告の数え方と、申告が要るのにしなかったときにどうなるかはメルカリの税金の記事にまとめています。

自分の数で確かめるなら、「あといくらの出し方」の表に、給与の見込みと仕入れた品の所得を入れてください。

学生の親の扶養控除は合計所得62万円まで。12月のシフトはあといくらか

学生の親の扶養は、税の扶養控除が合計所得62万円以下、親の会社の健康保険が19〜22歳なら年間収入150万円未満の見込みと、線が2つあります(国税庁 No.1180)。19〜22歳の子は特定扶養親族になり、親の控除額は63万円です。

年齢ごとの扶養の線
子の年齢親の扶養控除(合計所得)給与だけなら健康保険の扶養(年間収入の見込み)
16〜18歳62万円以下(控除38万円)136万円以下原則130万円未満
19〜22歳62万円以下(控除63万円)136万円以下150万円未満

メルカリで仕入れた品の所得が少しでもある人は、「給与だけなら」の列ではなく、合計所得の62万円と比べます。103万円と所得48万円は令和6年分までの線で、令和8年分の判定には使いません。

給与だけなら136万円

仕入れた品の所得が無く、収入がアルバイトの給与だけなら、令和8年分の線は給与収入136万円以下です。136万円は、給与所得控除の74万円に62万円を足した目安です。

健康保険の扶養は19〜22歳なら年収150万円未満の見込み

親の会社の健康保険の扶養は税の扶養と別の線で、19〜22歳なら年間収入150万円未満の見込みかで見ます。16〜18歳の線は、原則どおり130万円未満です。

19〜22歳かどうかはその年の12月31日時点の年齢で決まり、学生かどうかは問われません。協会けんぽも、令和8年度の被扶養者の再確認で、19〜22歳(配偶者を除く)の基準を150万円としています。年間収入は、過去や今の収入とこれからの見込みから、今後1年間の分を見込んで判定します。

メルカリの売上を健康保険の年収に入れるか

公式に書かれているのは自営業者などの収入の見方までで、メルカリの売上や家の不用品を売ったお金を健康保険の年間収入に入れるかを名指しした文は、日本年金機構・厚生労働省・協会けんぽの案内にありません。

公式に書かれていること
  • 自営業者の収入 ─ 事業のための必要経費を引いた額で見る(日本年金機構)
  • 給与のほかに事業収入などがある人 ─ 給与を含む年間収入は、以前からの取扱いで見る(厚生労働省の通知)
  • 国民年金の第3号の認定 ─ 経費がかかる収入は、明らかに必要な経費の実額を引いた額で見る(厚生労働省の通知)

あといくらの出し方

12月のシフトをあといくら入れられるかは、62万円から今の合計所得を引いた残りで出します。給与は支給日の年の収入なので、12月に働いた分を翌年1月の給料日に払う決まりなら、その分は翌年分の給与に入ります。

あといくらの出し方
出す物出し方計算例の学生
いまの合計所得給与所得+仕入れた品の所得22万5,000円(16万円+6万5,000円)
62万円までの残り62万円−いまの合計所得39万5,000円
給与に直した額給与収入が74万1,000円以上なら残りと同じ額39万5,000円(給与は年129万5,000円まで)

給与収入が74万円に満たない人は、74万円に届くまでは給与が増えても給与所得は0円のままなので、その分は残りから減りません。計算例の学生は20歳なので、合計所得が62万円を超えても85万円以下なら、親の控除は63万円のままです。健康保険の150万円未満も並べて見ます。見るのは今年の給与の合計ではなく、今後1年間の収入の見込みです。

62万円を超えたら親の扶養控除から外れる。控除と健康保険はどう変わるか

親は、子の合計所得が62万円を超えると扶養控除を受けられなくなりますが、19〜22歳の子なら、123万円以下の間は特定親族特別控除に替わり、85万円以下なら控除は63万円のままです(国税庁 No.1177)。減った控除額の分だけ親の課税される所得が増え、そこに親の所得税の税率が掛かります。税率は、課税される所得に応じて5%から45%です。

19〜22歳の子が62万円を超えたときの控除
  1. STEP 1控除は63万円のまま62万円超85万円以下扶養控除から特定親族特別控除に替わる
  2. STEP 2控除が段々に減る85万円超123万円以下61万円から3万円まで下がる
  3. STEP 3親の控除は無くなる123万円超特定親族特別控除も受けられない

→ 子の合計所得が増えるほど

※ 16〜18歳の子は、合計所得が62万円を超えると親の扶養控除38万円が無くなる

夫の扶養のパート・主婦も、62万円を超えると夫の控除が配偶者控除から配偶者特別控除に替わり、控除は妻の所得に応じて段々に減って、133万円を超えると無くなります。夫の合計所得が1,000万円を超えると、配偶者控除も配偶者特別控除も受けられず、妻が青色・白色の事業専従者のときも受けられません。健康保険の扶養は62万円では外れず、年間収入の見込みが原則130万円未満、19〜22歳の子は150万円未満かで別に見ます。

19〜22歳は特定親族特別控除で段々に減る(123万円まで)

19〜22歳の子の合計所得が62万円超123万円以下なら、親は扶養控除の代わりに特定親族特別控除を受けられるので、控除がいきなり0円にはなりません。85万円以下なら63万円、85万円超90万円以下なら61万円で、そこから51万円・41万円・31万円・21万円・11万円・6万円と下がり、120万円超123万円以下で3万円です。123万円を超えると、親の控除は無くなります。

収入がアルバイトの給与だけなら、給与収入136万円超197万円以下がこの範囲で、159万円以下なら控除は63万円です。

16〜18歳は扶養控除38万円が無くなる

16〜18歳の子は特定親族特別控除の対象ではないので、合計所得が62万円を超えると、親の扶養控除38万円がそのまま無くなります。

たとえば親の課税される所得が10%の段の中にあり、控除が減っても段をまたがないなら、38万円の控除が無くなると親の所得税は38,000円増えます。

健康保険を外れて勤め先の保険にも入らないなら国保の届けは14日以内

健康保険の扶養から外れて、自分の勤め先の健康保険などにも入らない人は、外れた日から国民健康保険に入り、世帯主が14日以内に市区町村へ届け出ます。

親の側は、子の年間収入が線以上になると見込まれたら、その都度、扶養から外す届けを出します。協会けんぽの被扶養者の再確認では、扶養でなくなった日は、就職した日や時給が上がった日など、収入が増えた日です。

年末調整の後で分かったら

年末調整の後で、子の合計所得が見積りより多く62万円を超えたと分かったら、親はその年の扶養控除を受けられません。親が勤め先に扶養控除等(異動)申告書を出し、勤め先が年末調整をやり直して足りない税を取ります。足りない税を取るやり直しは、翌年1月末日を過ぎても行います。

国税庁の質疑事例(令和2年6月)も、年末調整の後に子のアルバイト収入が見積りより多く基準を超えた例で、勤め先が年末調整を計算し直すとしています。親が確定申告をする場合は、確定申告書等作成コーナーの「年末調整の内容を変更しますか?」で「はい」を選んで、子を控除から外します(令和7年分の画面)。

家で使っていた服や本・仕入れた物・作った物で、扶養の計算に入るかが分かれる

家で使っていた服や本を売った分は、扶養の計算に足しません(国税庁 年末調整のしかた)。国税庁は、扶養の判定に使う合計所得に含まれない所得の例に、こうした生活用動産を売った所得を挙げています。

扶養の計算に足す物・足さない物の見分け方
売ったのは、家で使っていた服・本・家具など?売る目的で買って続けて売る物は除く
はい→
○ 扶養の計算に足さない合計所得に入らない
いいえ↓
△ 所得を給与所得に足す売上から仕入れ値などの経費を引く

※ 1個または1組で30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董などを売った所得は非課税にならない

家で使っていた服・本・家具などを、まとめて「家の物」と呼びます。1個または1組で30万円を超える貴金属・宝石・書画・骨董などは家の物に入らず、売った所得は非課税になりません。

仕入れた品を売った所得は事業所得か雑所得になり、売上から仕入れ値・販売手数料・送料などの経費を引いた額を給与所得に足します。経費が売上より多い赤字の年も、雑所得なら赤字を給与所得から引けません。

グッズを売る目的で買って続けて売っているなら、家の物には入らず、仕入れた品と同じに所得を足します。集めたグッズや値上がりした品がどちらに当たるかの早見表と、1個30万円を超える品の所得の出し方は、メルカリの雑所得の記事にあります。

作った品を売ったとき

手作りの品をメルカリで12万円ほど売る16〜18歳の高校生なら、作った品は家の物に入らないので、売上から材料などの経費を引いた所得を給与所得に足して62万円と比べます。たとえば経費を引いた所得が8万円なら、給与所得は54万円まで、給与収入に直すと128万円までが親の扶養控除の範囲です。

合計所得が62万円を超えたときは、親の扶養控除38万円が無くなります。健康保険の扶養は、年間収入が原則130万円未満(障害者は180万円未満)の見込みかで別に見ます。

夫の扶養のパート・主婦が同じ計算をするとき

夫の扶養に入るパート・主婦も、パートの給与所得とメルカリで仕入れた品の所得を足して、合計所得を出します。その合計所得が62万円以下なら、夫は配偶者控除を受けられます(国税庁 No.1191)。62万円を超えて133万円以下なら配偶者特別控除に替わり、どちらも夫の合計所得が1,000万円以下のときの控除です。青色・白色の事業専従者の妻は、どちらの控除の対象にもなりません。

夫の扶養の種類見る物線
配偶者控除妻の合計所得62万円以下
配偶者特別控除妻の合計所得62万円超133万円以下
健康保険の扶養妻の年間収入の見込み原則130万円未満(同居なら夫の収入の半分未満も)

配偶者控除と配偶者特別控除の線(令和8年分の所得税)は、夫の合計所得が1,000万円以下で、妻が青色・白色の事業専従者でないときの物です。

仕入れて売った分が40万円、家の物を売った分が50万円ある主婦なら、扶養の計算に足すのは、仕入れた分から経費を引いた所得だけです。

夫の配偶者控除も合計所得62万円まで、その先は配偶者特別控除で段々に

夫の合計所得が900万円以下なら配偶者控除は38万円(70歳以上の妻は48万円)で、妻の合計所得が62万円を超えても95万円以下なら、配偶者特別控除で38万円を受けられます。その先は36万円・31万円・26万円・21万円・16万円・11万円・6万円と下がり、130万円超133万円以下で3万円です。

夫の合計所得が900万円を超えるとどちらの控除も額が小さくなり、1,000万円を超えると受けられません。

健康保険は130万円未満の見込み・同居なら夫の収入の半分未満

夫の会社の健康保険の扶養は、妻の年間収入が原則130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)の見込みで、同居なら夫の収入の半分未満であることなども満たすかで見ます。19〜22歳の150万円未満の線は配偶者には使わないので、19〜22歳の妻でも130万円未満で見ます。

労働契約の賃金から年間収入を見込む取扱いは、給与以外の収入が見込まれない人の物で、給与のほかに事業収入などがあると使えません。

パートをやめてメルカリの物販だけにするとき

パートをやめてメルカリの物販だけにするなら、税の扶養は、物販の売上から経費を引いた所得が62万円以下かで見ます。

健康保険では、事業の収入は必要経費を引いた額で見ると、日本年金機構の案内にあります。国民年金の第3号の認定でも、経費がかかる収入は必要な経費の実額を引いた額で見ると、厚生労働省の通知にあります。ただ、メルカリの物販の売上をどう数えるかを名指しした文はありません。

外れたら国民年金の手続きも

夫の健康保険の扶養を外れて、自分で厚生年金保険などに入らない人は、国民年金の第1号被保険者になる手続きも要ります。勤め先の健康保険にも入らないなら国民健康保険に入る側になり、世帯主が14日以内に届け出ます。

よくある質問よくいただくご質問を、分かりやすくまとめました。

売上金をメルペイで使ったり、バイト代と同じ口座に振り込んだりすると、扶養の計算は変わる?
売上に数えるのは、その年に売れた額(収入すべき金額)で、年末までに売上金を受け取ったかは関係ありません。例外は、一定の条件に当てはまる小規模な事業者などが、現金の出し入れで数える「現金主義」を選んだときです。お金以外の物や経済的な利益で受け取った場合も、受け取った時の価額で売上に入ります。扶養の計算に足すのは、仕入れた品の売上から仕入れ値・販売手数料・送料を引いた所得です。

まとめ

まとめ
  • 仕入れた古着を売った所得は20万円以下でもアルバイトの給与所得と合わせ、合計所得62万円以下かで親の扶養控除が決まる(家で使っていた服や本の分は足さない)
  • 収入が給与だけなら136万円以下が目安で、103万円は令和6年分までの線
  • 健康保険の扶養は年間収入の見込みで見て、19〜22歳の子は150万円未満、ほかは原則130万円未満
  • 19〜22歳の子は62万円を超えても123万円以下なら、親は特定親族特別控除を受けられ、控除はいきなり0円にならない
  • 夫の扶養のパート・主婦も同じ足し方で、合計所得62万円超133万円以下は配偶者特別控除に替わる(夫の合計所得1,000万円以下・妻が事業専従者でないとき)

今年の古着の売上から仕入れ値・販売手数料・送料を引いて所得を出し、「あといくらの出し方」の表に給与の見込みと並べて、今年あといくら給与を受け取れるかを出してください。

制度は国税庁・総務省などの公的な資料(本文のリンク)で確認しています。年分や改正で変わることがあるので、申告の前に出典のページを見てください。